野良猫の保護

野良猫を保護する時の注意点

投稿日:2016年11月18日 更新日:

野良猫を保護する時は、感染症や害虫への注意が必要です。噛みつかれる・引っかかれると、傷つき痛いだけでなく、菌やウイルスに感染し重症化する場合もあります。具体的な病名と症状とともに、予防&対策方法をご紹介します。

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野良猫を保護して家猫にしたい、あるいは里親を探し猫が幸せに暮らせるよう手助けをしたい。そんな愛護の想いも、野生で生きる猫にとっては「捕まえられる」恐怖でしかありません。

猫には鋭い爪があり、尖った歯と強い生命力があります。自分を捕獲しようとする人間に対し、敵意をむき出しにして攻撃してくるでしょう。

ノミやダニ、感染症といった人体に影響するリスクを持っていることも、覚えておく必要があります。

猫のため、あなたのために野良猫を保護する前に、絶対知っておきたい・用意しておきたいことをご紹介します。

野良猫に嚙まれる引っかかれる危険

保護の際、猫が体内に保有している「パスツレラ菌」「バルトネラ菌」に感染し、重症化する場合があります。

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子猫の爪は細く強い力はありませんが、人の手に突き刺さるように尖っています。成猫は知恵と勇気を持っており、体を捕まえられようものなら全身全霊をかけて抵抗し、ガブリと噛みついてくるでしょう。

野良猫が持っている菌の中で、一番危険なものは便に含まれるバクテリアだと思っている方も多いです。しかし、本当に気を付けるべきは、猫の爪や口内に潜む別の菌です。

【バスツネラ菌】

野良猫・飼い猫問わず、90%以上の猫が保有する菌。猫自身に悪い影響は与えないが、人に感染すると腫れや化膿する恐れがある。高齢者や持病を持っている方は、重症化の可能性もある。

・バスツネラ症
引っかかれたら、すぐに水で洗い消毒をする。

【バルトネラ菌】

人のリンパ節で炎症を起こし、痛みや腫れ、しびれを引き起こす恐れがある。人のリンパ節は全身の関節付近にあり、猫から直接感染するほかに、野良猫の毛の中にいるノミからうつる可能性も高い。

・猫ひっかき病
すぐに水で洗い消毒をする。痛みと腫れが強い時は医師に相談する。

(*公益社団法人 千葉獣医師会HPを参考にしました)

野良猫の捕獲になれているボランティアでも、手の平を引っかかれ数週間にわたり、腫れと痛みに苦しむケースがあります。

人なれした猫なら苦労せずに捕獲できるかもしれませんが、ほとんどの猫が懸命に逃げようと大暴れします。保護する際は引っかかれないように、軍手、長袖の服を用意して、肌の露出はひかえましょう。

ノミ・ダニ・寄生虫は必ずいます

一見きれいに見える野良猫であっても、ノミ・ダニ・寄生虫が必ずいると意識して行動しましょう。

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ペットショップで売られている猫たちは、ブリーダーの元で大事に育てられ、害虫の感染は皆無です。比較対象にしては可愛そうですが、衛生的とはお世辞にも言えない環境で育った野良猫は、当然のように害虫を保有しています。

食べ物や糞尿から仲間の猫に害虫が感染し、子猫は母親から虫を受け継いで生まれてきます。害虫は薬で駆除できるので、保護したのちに治療してあげましょう。

体を虫で汚染されることは猫にとって死活問題であり、人間にも悪い影響があります。

【ノミ】

ネコノミは、体長1~3mm・6本足の虫。猫の血を吸い、毛の中に潜んで卵を産む。ピョンッと跳ねて猫同士に感染し、人の皮膚にも噛みつく。嚙み痕は痒み、赤く腫れる。バルトネラ菌に感染する恐れもある。

・ノミ刺咬症

【ダニ】

春から夏にかけて成ダニが増え卵を産み、秋から冬は孵化した若いダニが増える。猫同士での感染し、保護の際に衣服や皮膚にうつる可能性がある。嚙まれると赤く腫れ、痒みと痛みが出る。

・マダニ感染症
・疥癬症(かいせん症)

【寄生虫】

回虫(かいちゅう)、鉤虫(こうちゅう)、瓜実条虫(ウリザネジョウチュウ)など。

猫の体内に生息し、便とともに卵や本体が排出される。人の眼の粘膜や傷口、口内から感染する危険がある。猫の糞尿処理、野良猫を触った後は必ず石鹸で洗浄と消毒をする。

・トキソカラ症

(*バイエル製薬株式会社HPを参考にしました。)

1匹の感染から飛び火して、広範囲で嚙まれてしまう恐れがあります。保護する前に手に傷がないかチェックして、感染を防ぎましょう。

その他の野良猫が持っている感染症

サルモネラ菌やトキソプラズマ菌など、症状が重症化する感染症にご注意ください。

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【サルモネラ症】

サルモネラ菌は猫の糞にひそみ、口から人体に感染しサルモネラ症を発症する。感染後8~48時間で発病し、胃腸炎、嘔吐、下痢、発熱、小児は痙攣や意識障害を起こす場合もある。

【トキソプラズマ症】

サルモネラ菌は猫の糞にひそみ、口から人体に感染しトキソプラズマ症を発症する。症状は少なく、発熱や倦怠感、リンパ節の腫れが出ることもある。妊婦の感染は流産のリスクを高めるため、注意する必要がある。

【狂犬病】

犬が保有することで知られる狂犬病ウィルスは、猫も持っている。近年、猫から人体に感染した症例はないが、世界では年間5万人の死者が出ている。人の傷口や口から感染する恐れあり。症状は発熱、痛み、興奮、しびれ、意識障害など。

糞から感染するものばかリですが、毛に糞がついていたり、猫の習性である糞を土に埋める行為によって、爪に菌が付着しています。

妊婦や疾患を持っている方は、野良猫の保護に参加しない方が良いでしょう。また、少しの体調不良であっても免疫力が下がり、感染リスクが高くなりますので、無理をせずに行動してください。

先住猫がいる方はウイルス感染症に注意

猫エイズウイルス感染症・猫白血病ウイルス感染症は、人間に感染しません。しかし、猫同士で感染する可能性があり、先住猫を飼っている場合は、保護した猫を接触させないように気を付けましょう。

ウイルスに感染していても症状の出ない場合が多く、保護後に動物病院で検査をする必要があります。

感染してしまうとウイルスを完全になくす方法はなく、他に飼育している動物がいるのなら、検査が終わるまで互いに近づけないよう別の部屋で過ごさせてください。

【ネコ免疫不全ウイルス・FIV(猫エイズウイルス)】

感染力は強くなく、空気感染なし。猫同士の交尾や傷口をなめるなど体液を媒介して感染し、人間・犬には感染しない。下痢や風症状がでて一度おさまり、その後は口内炎・白血病・下痢などになりやすくなる。

キャリア猫から生まれる子猫は猫ウイルスに感染している可能性が高いため、陽性反応が出たら避妊手術を必ず行うこと。

【猫白血病ウイルス】

空気感染はないが、猫同士のケンカや毛づくろいによって感染する。キャリア猫と他の猫に、同じ食器を使わせるのもNG。猫エイズウイルスとともに、病院で検査を受け結果が出るまでは、他の猫と接触させてはいけない。

下痢、風邪症状、食欲減退による体重減少など。母親から子猫に感染することも多いので、必ず避妊手術をさせること。

去勢や避妊されず、野生のままに繁殖した野良猫は、猫エイズキャリア・猫白血病キャリアの猫が多いです。しかし、キャリアであっても適切な治療を受ければ、健康な猫と同じように生活ができます。

保護した猫がかりにキャリアだったとしても、最後までしっかりと面倒をみてあげましょう。先住猫がいる場合は、別の部屋で飼育する必要があります。里親募集をする際は、キャリア猫だと開示した上で理解ある里親を探してくださいね。

エイズキャリアの猫は「りんご猫」と呼ばれ、世界中で愛すべき猫たちとして取り上げられています。

野良猫を保護した時に気を付けること一覧

野良猫保護をする時に起こりうる病気や虫について、人間が感染した場合の病名と症状をおさらいします。

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    【嚙まれる・引っかかれる】

  • バスツネラ症・・傷口の腫れや痛み、痒み
  • 猫ひっかき病・・傷口の腫れや痛み、痒み、しびれ
    【ノミ・ダニ・寄生虫】

  • ノミ刺咬症・・痒み、腫れ
  • マダニ感染症、疥癬症・・痒み、腫れ
  • 寄生虫・・発熱、嘔吐、下痢
    【感染症】

  • サルモネラ症・・感染後8~48時間以内の胃腸炎、嘔吐、下痢、しびれ
  • トキソプラズマ症・・症状が弱いが妊婦の流産リスクが高くなる
  • 狂犬病・・発熱、痛み、興奮、しびれ、意識障害

【ウイルス感染症】

  • 猫エイズウイルス感染症・・人間には感染しないが、猫同士で感染する。下痢・白血病になりやすい。
  • 猫白血病感染症・・人間には感染しないが、猫同士で感染する。下痢・食欲不振になりやすい。

野良猫を触る前に、体調とケガがないか確認しましょう。保護する際は、軍手と衣類で肌を守り、噛みつきと爪でひっかかれることに注意ましょう。

猫を捕獲した後は必ず石鹸で手を洗い、消毒薬で除菌します。着ていた服は、念のために漂白するか他の衣類とわけで洗います。家で害虫が飛び、家族に感染したら大変です。

先住猫や犬など他のペットがいる場合は、とくに注意してください。保護猫を触った後、除菌が済むまでは触わらないように、別の部屋にいてもらいます。ウイルス検査が終わるまで、猫同士は接触させないようにしましょう。

もし猫に引っかかれてケガをしてしまったら、すぐに病院に相談してください。

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